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8.4 合法性審査と公平競争審査(外商投資法第24条)

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外商投資法第24条は以下のように定める:

各級人民政府およびその関係部門が制定する外商投資に係る規範性文書は、法律・法規の規定に合致しなければならない。法律、行政法規の根拠がない場合、外商投資企業の合法的権益を縮小・毀損もしくはその義務を増加させてはならず、市場参入および退出の条件を設けてはならず、外商投資企業の正常な生産経営活動に干渉してはならない。

外商投資法第24条の前半はすべてのレベルの人民政府と関連部門の規範性文書の制定権の境界を画定しているが、これは規範性文書の合法性の要件を強調することを意図するものである。外商投資法第24条の後半は、その反面として、公権力が外商投資企業に競争においていたずらに不利益をもたらすことを制限するものであり、規範性文書が市場競争の公正を確保すべきことを強調することを意図するものである[1]

外商投資法施行条例26条1項は以下のように定める:

条政府およびその関連部門が制定する外商投資に係る規範性文書は、国務院の規定に従って合法性に対する審査を行うものとする。

「国務院弁公庁の行政規範性文書の合法性審査メカニズムを全面的に実行するための指導意見」[关于全面推行行政规范性文件合法性审核机制的指导意见]は2018年に公布され、規範性文書の合法性審査の範囲、主体、手順、責任と義務を明確にし、権利と責任の一致、相互接続、効率が高い完全かつ効率的な合法性審査メカニズムを確立した。なかんずく以下のように規定する:

各地区、各部門は仕事の実際に合わせて、制定主体、公文種類、管理事項などの方面から、規範性文書の合法性審査に組み入れる基準と範囲を確定し、規範性文書を作成して主体リストを制定し、規範性文書の公文種類を明確にし、規範性文書管理事項の分類を列記する。公民、法人およびその他の組織権利義務に関する規範性文書は、いずれも適法性審査の範囲に組み入れ、全カバーを実現することを確保し、必ず審査しなければならない。

各級の人民政府およびその部門は、規範性文書の合法性審査業務を具体的に引き受ける部門または機構を明確にしなければならない。

各地区、各部門は、実際の状況に基づいて規範性文書の合法性審査手順を確定し、起草組織、制定機関の事務機構および審査機関の職責権限を明確にし、材料の配達、プロセスの連接、審査時限などの業務要求を厳格に実行しなければならない。

適法性審査メカニズムを十分に発揮させ、規範性文書の合法的かつ効果的なチェックの役割を確保するために、意見募集、署名、審議参加などの方式を合法性審査に代替させることはできない。合法性審査を経ていない、または審査を経たが合法的でない文書は、集団審議に提出してはならない。審査機構が審査職責を厳格に履行していないため、規範性文書が違法になり、重大な結果をもたらした場合、紀律に従って法により関係責任者の責任を追及する。合法性審査を経ない或いは合法性審査意見を採用しないことで、規範性文書が違法となり、重大な結果をもたらした場合、法律に基づいて関係責任者の責任を追及する。

「国務院の市場システムの建設における公正競争審査制度の構築に関する意見」[国务院关于在市场体系建设中建立公平竞争审查制度的意见]は2016年に公布され、政府の関連行為を規範化し、競争の排除と制限の政策措置が導入されることを防止し、全国統一市場と公平競争を妨げる規定や慣習を徐々に整理し、廃止することを目的とする。なかんずく以下のように規定する:

行政法規と国務院が制定したその他の政策措置、地方性法規について、起草部門は起草過程において公平競争審査を行わなければならない。自己審査を経ていない場合は、審議のため提出してはならない。

政策制定機関は政策制定過程において、審査基準に厳格に照らして自己審査を行わなければならない。審査を経て、競争の排除、制限効果を有しないと判断した場合は、実施することができる。競争を排除し、制限する効果がある場合は、導入しないか、または関連要求に適合するように調整してから発布しなければならない。公正競争審査をしていない場合は、発布してはならない。政策措置の制定および公平競争審査の実施は、利害関係者の意見を聴取し、社会公開に意見を求めなければならない。関連政策措置が公布されたら、「中華人民共和国政府情報公開条例」の要求に従って、社会に公開しなけれればならない。

審査基準は、市場参入と退出基準、商品と要素の自由流通基準、生産経営コストの影響基準、生産経営行為の影響基準を含む。

各地方公共団体、各部門は、法律上の根拠なく、市場参加者の合法的権益を損ない、市場参加者の義務を増やす政策または措置を定めてはならない。

「外商投資法」の施行前の中国の外商投資の法体系は、外資三法と大量の行政法規、部門規則、地方性法規と規則などの政策性文書を含み、内容が複雑で、往々にして矛盾していた。外商投資法が施行された後、中国は大量の法律法規とその他の規範性文書を「廃止、改正、公布」しなければならない任務に直面した。このプロセスは「合法性審査メカニズム」と「公平競争審査メカニズム」を経ることになっており、これは今後各級の人民政府と関連部門が公布するその他の規範性文書にも当てはまる。このようなプロセスを経ることで、法律法規が遵守される程度が大幅に向上すると期待される[2]

外商投資法実施条例第26条第2項は以下のように規定する:

外国投資者と外商投資企業は、行政行為の根拠となる国務院の部門並びに地方人民政府およびその部門が定める規範性文書が合法的ではないものと判断し、法により行政行為に対する行政不服審査を申請し、または行政訴訟を提起する場合は、当該規範性文書に対する審査の実施を併せて請求することができる。

これは行政不服審査機関と裁判所に、違法行政行為についての行政訴訟において、国務院部門、地方人民政府およびその部門によって制定された規範性文書を審査する権限を与える。裁判所が規範性文書を合法でないと認定した場合、国務院部門、地方人民政府およびその部門は、「合法性審査メカニズム」と「公平競争審査メカニズム」を通じて、その廃止または改正の圧力を受けることになるであろう。


[1] (孔 他) 100

[2] (孔 他) 103参照

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